Blog.215 プログラムをつくる

12.28

富山湾の宝石と言われるシロエビ

地方在住の臨床美術士がアートプログラム化しない限り、臨床美術作品として、その地方で親しまれることがないと言えるモチーフがあります。たとえば、シロエビが漁として成り立ち、人々の生活に浸透しているのは、世界中でも、この富山湾だけです。

そこで、「あいがめ(藍瓶)」と言われる深海で浮遊するシロエビをプログラム化しようと試みます。いろいろなアイディアは浮かんで来て、アーティストとして作品にしてみることは楽しいものです。しかし、臨床美術のアートプログラムは、自分だから出来てしまうというものであってはなりません。それは、いつでも、自分以外の臨床美術士でも、制作者が誰であっても表現可能なアートプロセスとして提案しなければなりません。

自分の中の<老人>や<子ども>を立ち上げ、さまざまな想像を働かせて、仮のプログラム案をつくり、現場で検証してみる。右脳モードの時間の中で没頭して描く時間を創出できるだろうか。上に紹介した作品は高齢者住宅に入居されている90歳前後になられる方々のものです。作品以上にプロセスでの言葉のやりとり、描き切った後に呟いた言葉を手がかりに具体的な場面を置いてプログラムとして記述していきます。

こうして、プログラム生み出すに当たり、頭の中で構築している各場面を具体的に記述することの難しさをプログラムとして完成させる最後に感じている最中です。記述することは言葉を駆使した編み物です。この編み物を語源として「テキスト」という言葉を私たちは使っていますが、書くということは、曖昧さを許さない。そこを書き切って自分から手放せる編み物になったとき、やっとアートプログラム(テキスト)としての力が宿るのだと思っています。ここでもナラティブの力が問われています。

新年、『富山湾の宝石 シロエビを描く』のご当地研修会を予定しています。苦労している分、楽しみです。

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