
日にち:令和元年7月20日(土)
時間: 14:00~16:00
会場: 高周波文化ホール
講師: 富山福祉短期大学 幼児教育学科 教授 北澤 晃
内容:
事例発表「住み慣れた地域でいきいきと暮らす~暮らしに臨床美術が根付いた事例~」
講演「アートを楽しめる心身が健康な生活をつくる」
臨床美術体験/アートプログラム「直線のクロッキー」、「まる・さんかく・しかく」
今回は、例年の本学の北澤晃先生と臨床美術士の他に、砺波市で臨床美術のサロンを開いている鷲北裕子さんも講師を担当されました。
鷲北さんによる事例発表では、臨床美術との出会いからサロンを開くまでの過程や、サロン参加者の方の様子についてお話がありました。
鷲北さんは、平成28年5月から砺波市で「新富アートクラブ」を開催されています。お母様と一緒に臨床美術に魅了され、地域でサロンとして定期的に開催できるよう、行動を起こしました。
参加者は年を追うごとに増え、開催回数も増えました。サロンの回を追うごとに、参加者のみなさんの自己肯定感が向上したり、ネガティブな声が減ったり、黙々と制作する姿が見られるようになったりと、効果を実感されているそうです。
行政ではなく、地域の方が主体的に動き、地域に臨床美術が根付いた事例を、ご自身の思いも含めてお話していただきました。
続く講演では、北澤晃先生が、臨床美術は “いきいき”感を創出する取り組みであること、脳の無意識領域で描くことで臨床美術の効果が上がることについて、お話されました。
活気がある様子を表す “いきいき”感は、「他者とのかかわり」・「新しいことへの挑戦」・「生活への満足感」の3要素から成っています。実際に臨床美術に参加された方のアンケート結果をみながら、臨床美術を実践したことによる効果について説明されました。
臨床美術は、多くの参加者にとって新しいチャレンジであり、制作を通して、参加者同士のコミュニケーションが生まれます。「新しいことへの挑戦」、「他者とのかかわり」を経験することで、日々の生活への満足感が高まることが、アンケートの結果から分かりました。
人間の脳は、意識がある「顕在意識」が5~15%、無意識領域の「潜在意識」は85~95%であると言われています。上手に描こう、と意識をすると、脳の5~15%中心の制作になってしまおます。
しかし臨床美術は、無意識領域を関わらせるようプログラムされています。臨床美術士の提供するプロセスに沿って制作していくことで、自然と余計なことを手放して集中することができます。
潜在意識をフル活用するためには、≪今、ここ≫に集中することが必要です。過去を悔やまず、未来を気にせず、≪今、ここ≫に集中することで、臨床美術をより楽しみ、”いきいき感”を高めることにも繋がります。
臨床美術の効果や、臨床美術の効果を最大にできるポイントについて、わかりやすくお話していただきました。
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