地球の子『のびるね!』/リモート第1回

05.17

ともに生きていく<場>の生活の糧として、現在のこの日常の状況を鑑み、リモートで臨床美術を実施しました。実施するに当たり考えたことの幾つか。
①<場>に臨床美術は生かされるか。つまり、リモートであっても臨床美術士に対して現場は1つ。複数の現場が繋がれたリモートは、私には考えられません。
②現場スタッフは、現場で臨床美術をする目的を理解し、参加者が制作過程(自己の立ち上がり)を楽しめるように支援できる体制がつくれるかどうか。つまり、リモートのセッションは、本来のセッションを積み重ねてきた<生>の上に、参加者が主体的にこの活動を受け入れ、今の<生に>重ねていくものです。はじめての現場で私自身が思い願う臨床美術を実施することは難しい。どのような臨床美術体験が既にあるかどうかは大きな問題です。
③事前に現場、もしくはリモートで実施プログラムにしたがった打ち合わせを、臨床美術士と現場スタッフで、現場の当日の参加者の動きを想定して十分に行っておく必要がある。
④実施プログラムの進行上の区切り(私は「つくり、つくりかえ、つくる」という展開の理論に従っています)は、通常のセッション以上に明確に区切りを設定する必要がある。どこで、臨床美術士はリモートでデモンストレーションをするのかなど。めりはりが付かないと集中した制作につながらない。
⑤辛うじてリモートで対応出来るプログラムがあるとして、プログラム選びには、リモートで実施する上でのしっかりとした視点がいる。しかし、たとえば、臨床美術の典型的(五感のすべてを働かせる)プログラム『りんごの量感画』や五感のアナログ画などは残念ながらリモートには向かない。典型的プログラムが向かない理由が、リモートセッションの課題の根本問題とも言える。
⑥臨床美術士側2カメラ(臨床美術士姿、臨床美術士デモンストレーション画面)が必要。会場には、3カメラ以上設置(出来るだけ多くの方の制作プロセスを臨床美術士がPCモニター画面の切り替えでみていく。)また、会場で参加者が臨床美術士の話を聞いたり、デモンストレーションを見たりする画面用に大型ディスプレイが必要である。
そうしたことを念頭に計画し、リモートセッションを行いました。オンラインで繋がった際は、互いに拍手で1ヶ月半ぶりの再開を喜びました。
そして、今日は、『地球の子』の玄関のウェルカムボードに臨床美術が生かされている日常の風景が戻りました。

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